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連載コラム2016.10.26

連載コラム Vol.3 – 漁師の島「マヨルカ」が素敵です

佐藤丈春佐藤丈春

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スペインはマヨルカ島(マジョルカともいう)に行ったことのある方、いらっしゃいますか? この夏僕はここで友人と5日間を過ごしました。気温は30度以上になることもありましたが、島であるため海風が常にクールダウンしてくれ、湿気も多くないので最高の天気でした。この島はスペインの大陸側から東の地中海に位置しています。近くには「カフェ・デル・マール」の音楽コンピレーションで有名なイビザ島があります。マヨルカはテニスプレーヤーのラファエル・ナダルの出身地であり、来年の7月に彼が国際テニスアカデミーをこの島にオープンすることになっていて、注目です。芸術家のジョアン・ミロが晩年を過ごしたこともあり、ミロ美術館があったりもします。公用語はスペイン語と地元言語の「マヨルキーン」。バルセロナでの「カタラン」みたいなもので、主にスペイン人同士が地元民であるかどうか、テストするのに使われたりします(これを高飛車あるいは閉鎖的として、あまり良しとしない地元民もいます)。

1950年代の建物を改装して10年前にオープンしたマリセル・ホテルのテラスからの風景

1950年代の建物を改装して10年前にオープンしたマリセル・ホテルのテラスからの風景

冒頭の「行ったことある方、いらっしゃいますか?」という質問に対する答えは、僕はほとんど「ノー」だと思っています。なぜなら、日本人観光客が皆無に等しいからです。この島は小さいので、そのことが一目瞭然です。僕がベースを置くロンドンから飛行機で2時間半で着き、夏は多くの便が出ているので、こちらからはアクセスが非常に簡単。そのためイギリス人観光客はもちろん、ドイツ人およびスウエーデン人観光客が多く目につきます。最近はフィンランド航空がヘルシンキからの直行便を飛ばすようになったため、今回は町中でフィンランド語もたまに耳に入って来ました。なぜ日本人観光客が少ない(というより皆無)のだろう? と友人とも話していたのですが、アクセスが一番の理由ではないでしょうか。日本からの直行便はありません。「せっかく夏休みをとる」のですから、バルセロナで観光したい人はとても多いはず。マドリードにも寄りたいかもしれません。日本との往復移動で丸2日間を休暇日程から取られると考えると、マヨルカに寄っている時間が取れない人が大半なのかもしれませんね。「日本から夏限定のマヨルカ直行便をやったら、売れるのでは?」という議論も友人と真剣にしました。

筆者が滞在したのがポルティチョール・ホテル。スウエーデン人がオーナーというだけあって、内装は北欧的でクリーン。朝食のレベルが非常に高い

筆者が滞在したのがポルティチョール・ホテル。スウエーデン人がオーナーというだけあって、内装は北欧的でクリーン。朝食のレベルが非常に高い

イタリア人アーティスト、アリギエロ・ボエッティ(1940−1994)の作品展オープンイベントのディナーに招待された。後方に見えるのはボエッティの作品で、アフガニスタンの人が手作業で刺繍したもの

イタリア人アーティスト、アリギエロ・ボエッティ(1940−1994)の作品展オープンイベントのディナーに招待された。後方に見えるのはボエッティの作品で、アフガニスタンの人が手作業で刺繍したもの

マヨルカのハイライトは日本人にとってもスペイン人にとっても重要な「食」。この島は昔、漁業で成り立っていました(現在のメインは観光業です)。ですから魚介中心の「漁師メシ」が最高です! スペイン料理といえばパエリアが有名ですが、それに似た形態で魚介スープのライス、リゾットなどマヨルカ・スタイルのメニューが美味です。ここでしか味わえない、マヨルカ産の天然エビを毎日のように頂いていました(中から出てくる味噌が紫色なんです。味に夢中になって写真を撮り忘れました!)。それと併せてオススメなのが地元産の白ワイン。スペインはワインの産地としても知られていますが、マヨルカの魚介類と一緒に飲む地元のワインはさっぱりとしていて、とても飲みやすいです。

マヨルカの「漁師メシ」がこれ。地元のエビなど魚介が豊富に入ったスープは濃厚。諸事情あって、どこのレストランかは明記できません。ごめんなさい

マヨルカの「漁師メシ」がこれ。地元のエビなど魚介が豊富に入ったスープは濃厚。諸事情あって、どこのレストランかは明記できません。ごめんなさい

マヨルカ産の白ワイン「ノウ・ナット」。ドライで軽く、飲みやすい。漁師メシとの組み合わせとしてはベストだ

マヨルカ産の白ワイン「ノウ・ナット」。ドライで軽く、飲みやすい。漁師メシとの組み合わせとしてはベストだ

生活のクオリティが高い割には物件の値段はあまり高くないので、イギリスおよびヨーロッパの人達が退職後を見据えて家を買うのも珍しくありません。僕の友人(この島で育った)が実際に家を探しており、そのリサーチに同行したのですが、例えばとある小さな町中にある3階建て屋上テラス付きの家で2千万円弱でした(修繕費が別途かかりますが)。さわやかな晴れの日々、テニス、ビーチ、おいしい食事とワインなど最高級のクオリティが確保できるマヨルカ島に、退職後の移住もよいのでは?

ここ「カーサ・マノロ」は「セス・サリネス」という街にあり(マヨルキーン言語で”塩”の意味。紀元前から塩の生産地だった)島の南東部に位置している。ここでも素晴らしい漁師メシを食べられる

ここ「カーサ・マノロ」は「セス・サリネス」という街にあり(マヨルキーン言語で”塩”の意味。紀元前から塩の生産地だった)島の南東部に位置している。ここでも素晴らしい漁師メシを食べられる

カーサ・マノロから近くにあるホテル「ソン・コスメット」はオススメ。16世紀にコスメット家が所有していた農地と作業場であった建物を15年前に改装オープンした

カーサ・マノロから近くにあるホテル「ソン・コスメット」はオススメ。16世紀にコスメット家が所有していた農地と作業場であった建物を15年前に改装オープンした

佐藤丈春(さとう・たけはる)
1976年東京生まれ。2005年に渡英、2007年に英国王立芸術院卒業。グローバル情報誌『モノクル』に創刊から関わり、ファッションディレクターとして7年間努めた後、2014年独立。現在は英国・欧州ファッションブランドの広告・カタログのスタイリングやアートディレクションを中心に活動する。

この記事に関連するキーワード:スペインマヨルカ島海外旅行

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