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連載コラム2021.10.27

連載コラム Vol.32 – とても静かなイタリア東海岸の旅

佐藤丈春佐藤丈春

今年の6月に、タビタスとも関連のある「Jalux Style」のお仕事でイタリアの東海岸「マルケ」地区に行く機会ができました。マルケ地区には革製品(カバン、靴や高級車の内装)の工場が集中しており、世界で知られるファッションブランドの商品を生産しています。今回はそれら工場の一つでのドキュメンタリー撮影でした。コロナ禍の海外渡航制限が少し解除されたばかりで、あいにく目的地までの直行便は無し。従って、ロンドンからアムステルダム経由でボローニャ空港に行き(ここまで所要時間4時間! イタリアまで直行便であればロンドンから2時間です)そこから更に電車で2時間半ほどかけて行くことになり、自宅からホテルにチェックインするまで、なんと約12時間かかりました。

乗り継ぎ使用したアムステルダム・スキポール空港の様子。ガラガラでした!

渡航できるようになったとはいえ、出発前・滞在中・帰国後の合計3回にわたってPCR検査が義務付けられていた時期で、加えて「Passanger Locator Form」つまり自分の滞在先・自宅住所・緊急連絡先やパスポート番号などを記入する書類を出入国の際に提示しなければならない(これも出発前、帰国前で合計2回必要)など、それらに割く時間、労力と金額は決して気軽なものではありませんでした。ボローニャから電車でマルケ地区に向かう途中、外国人は僕だけで、観光客らしき人は皆無だったと思います。飛行機の本数が少なく、PCR検査が3回も義務付けられていれば、ほとんどの人が観光でイタリア(および国外全般)に行こうとは思わないのではないでしょうか。

マルケで自分にとってナンバーワンのレストランは「Noi = ノイ」。鮮魚のカルパッチョに舌鼓。
ノイに匹敵するくらい美味しかった「オステリア・ラ・マンジオトイア」のスパゲッティ・カルボナーラは、他で食べたことない香ばしさ!

ともかく、通常の4倍ほどの時間をかけてマルケ地区に着いた際には、イタリア訪問が久しぶりであったこともあって、灌漑もひとしおでした。初夏の日光(滞在時には28度前後)が旅の苦労を忘れさせてくれ、イタリアといえば美食の国ですから、現地ならではの料理に感激。幸運にもホテルがビーチの目の前だったので、海岸で一息つくこともできました。6月だったので、人もまばらで静かなビーチでは、短時間とはいえ心が落ち着きました。マルケはイタリア東海岸の現地在住の人たちに夏のリゾートとして人気で、ローカル感が満載です。ベニス、ローマやミラノなど、世界各地から観光客でごった返すところを避けたい人には、マルケがおすすめですよ。

6月のマルケのビーチ。日中は充分に暑くなり、人も少ないため日焼けには最高! って僕は仕事があったのでこのビデオを撮って退散しましたが。。。

こちらは思い出に残るパンナコッタ。チョコレート・ソースとの組み合わせが最高でした。
ボローニャ経由だったため、最後の夜は当地で食事。この「アッルオステリア・ボッテガ」は現地の友人いわく「伝統的なボローニャ料理を受け継ぐ、残り少ない店の一つ」。
アッルオステリア・ボッテガでの新鮮な「モルタデッラ」など生ハムのスターター。

佐藤丈春(さとう・たけはる)
1976年東京生まれ。2005年に渡英、2007年に英国王立芸術院卒業。グローバル情報誌『モノクル』に創刊から関わり、ファッションディレクターとして7年間努めた後、2014年独立。現在は英国・欧州ファッションブランドの広告・カタログのスタイリングやアートディレクションを中心に活動する。

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