今年の夏、とあるスポーツメーカーと『モノクル』のタイアップ撮影で再びニューヨークに行って来ました。僕のコラム第1号では、同じニューヨークでもウイリアムズバーグの発展について触れたので、今回はマンハッタンについてご紹介します。約20年前に初めて行ってから、常に刺激を受け続けて来た街ですが、いつ行っても新たな発見(自分にとって)があります。
今回滞在したのは「The Ludlow Hotel」。「ザ・ラドローホテル」と読むのが一番英語に近く「ラドロー・ストリート」という通りの名前に因んでいます。20年前のこのエリアは殺伐としていて、同じマンハッタンとは思えなかったのが、今や同じ通りにカフェやショップが溢れ「メトログラフ」という新しい映画館(35mmフィルムの映画のみ上映、レストランも併設)も登場し、とてもトレンディになりました。ホテルは内装、寝心地、サービスなど含めてかなり気に入りました。値段とクオリティのバランスがとても良いと思いますので、皆さんにオススメです。
「ホテルつながり」の話題。ラドロー・ストリートがダウンタウンにあるのに対して、アップタウンにある「とある」高級ビジネスホテル内に面白くておいしいハンバーガー屋さんに連れて行くよ、という現地の友人に誘われるがままにそのホテルのレセプションを素通りして奥に行くと、なんと! かなりヒップスター感のある小さな店があるではありませんか! バーガーのクオリティはトップクラスで、常に行列が絶えません。既に数年前から日本でも紹介されているので、今更ホテル名やバーガー店の名前などを隠しても仕方ないかもしれませんが、あえて僕はここで秘密を気取りたいと思います。
アメリカといえばハンバーガー、ニューヨークといえば? ベーグルがありますね。ユダヤ系ベーグルの老舗にも行って来ました。その名は「Russ & Daughters」。1号店の創業は1914年ですから100年以上前。そのカフェがオーチャード通り(ザ・ラドローホテルから徒歩圏内)に2年前にオープンしたので行って来ました。内装も素敵で、接客も良いので、ベーグルにしては高値ですが、体験する価値はあると思います。
最後になりますが、シュールなスポットにも連れて行ってもらったので、紹介しておきます。日本でもお馴染みのバーニーズ・ニューヨーク。ここが「閉店」した後に上の階で営業を開始するバーが出来たのを、ご存知ですか? 当日夜の10時くらいに店に到着。いつもの正面玄関に警備員がいるので彼に話すと通してくれます。閉店後に清掃員が作業しているのを横目に見ながら誰も居ない店内を通り(商品閲覧可能ですが閉店後なので買い物はできません)、バーに行くのが不思議な感じです。常にアイデアとエネルギーの溢れる街、マンハッタン。定期的に訪れたいものです。
佐藤丈春(さとう・たけはる) |