連載コラム2017.08.08

連載コラム Vol.17 – 古都鎌倉・葉山の再発見

佐藤丈春佐藤丈春

先日一時帰国していた際に、鎌倉そして葉山で改めて発見したことがあるので、いくつか穴場スポットをご紹介したいと思います。特に鎌倉は何度行っても未知のスポットが多く、奥が深い土地であると毎回痛感します。 逗子の高校に通っていた僕は、毎日大船〜逗子駅間を横須賀線で通っていましたが、久しぶりにこの電車を使用したところ、やはり海外からの観光客の数が増えていると実感しました。僕が高校生の頃はここまでの数の外国人を一度に見ることなどなかったので、インバウンド効果があるのですね。やはり鎌倉駅でほとんどの乗客が下車。鎌倉といえば鶴岡八幡宮、鎌倉彫、由比ヶ浜、そば、鳩サブレー、、などの名物はみなさんご存知かと思いますので、ここでは小町通りや若宮大路といったメインの通りから少し入った、ちょっとした「隠れ家」をピックアップします。 まずは「小町まちえぇる」。新鮮な鎌倉野菜を使ったサラダ、パスタ料理が売り。木目を基調としたくつろげる内装はどこか英国風だなと思いきや、以前はイギリス人のオーナーがアフターヌーンティーのお店を経営していたからだそう。地ビールである「鎌倉ビール」も出しており、世界のカフェを紹介する本などユニークな資料もあるのでゆっくり過ごすことができます。

「小町まちえぇる」の外観。住宅エリアにひっそりと佇むので、地元の常連さんに人気の模様

次は「野尻邸」。大正8年(1919年)頃に建てられた、作家の大佛次郎(本名は野尻清彦。作品としては『鞍馬天狗』が有名)の茶亭であったところです。現代では希少な、関東大震災前から残った建造物であり、茅葺き屋根、数奇屋(茶室)風で、情緒ある門と板塀の続く路地が「かまくら景観百選」に選定されているそうです。実はこの建物内、そして庭園内両方においてお茶ができてしまうのです。大正時代の鎌倉がそのまま残された貴重な空間で、冷抹茶と和菓子を味わうことができて、幸せでした。

「野尻邸」の内観。写真では分からない、古民家風の香りを現地で楽しんでいただきたい

冷抹茶と和菓子のセット。左上のおしぼり置きはもちろん鎌倉彫

その後葉山に移動し、森戸海岸に2013年にオープンしたビーチクラブ「キャバン・トゥモローランド」で夕焼けを堪能しました。あのセレクトショップ「トゥモローランド」が経営しています。水平線や江ノ島を見渡すことができる位置にあり、眺める景観をしっかり計算して作られたであろうことが想像できます。大きなソファで空間を贅沢に使っており、周りに人がいるのにプライバシーを確保されたような感覚になります。この手の海の家は、日本にはなかなか無いです。そのため僕が到着した当時も行列が。夜は創業350年、老舗の「日陰茶屋」でコース料理と葉山地酒(葉山で日本酒を作っているとは、知りませんでした)を堪能。鎌倉・葉山共に、まだまだ知らないことが多く、もっと頻繁に訪れたいものです。

「キャバン・トゥモローランド」の様子。お客さんは水着ではなく、ドレスアップしている

キャバンから見える素晴らしい水平線の眺め。奥に小さく見えるのは江ノ島

日陰茶屋にて。上から時計回りに、カマスの炙り寿司、蓮根とサーモン、トウモロコシの下にかまぼこ、そして青梅の蜜漬け

日陰茶屋の母屋の隣にある「バー久楽」。蔵を改装した、落ち着いた空間

佐藤丈春(さとう・たけはる)
1976年東京生まれ。2005年に渡英、2007年に英国王立芸術院卒業。グローバル情報誌『モノクル』に創刊から関わり、ファッションディレクターとして7年間努めた後、2014年独立。現在は英国・欧州ファッションブランドの広告・カタログのスタイリングやアートディレクションを中心に活動する。

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