連載コラム2017.07.06

連載コラム Vol.16 – ロサンゼルスのサニー・ライフ

佐藤丈春佐藤丈春

マイアミに続いてロサンゼルス(以下ロス)でもテレビCMの撮影があり、人生初のロス訪問をしたので、3泊の短い滞在ではありましたが、体験したことをご紹介します。空港に着陸する直前に街を俯瞰すると、とにかく大きな道路が何本も走り、その上に車、車、そして車(スモッグが凄い)。。。とっさにイスタンブール(過去に10回以上訪れています)を思い出してしまいました(イスタンブールの地形は起伏が激しく遺跡も多いために鉄道を通すのが困難であり、移動には車が不可欠)。以前より聞いていた通り、ここロスでも車が無い生活は考えられず、滞在中はとにかく車中で過ごす時間が長かったです。

マリブ・ビーチ沿いにある「ネプチューンズ・ネット」。ハーレー・ダビッドソンのバイク愛好家が集まる
ネプチューンズ・ネットにはクラフトビールが大量に揃えてある。これはレコードの「ジャケ買い」ならぬ「ラベル買い」

僕が滞在したのは4月の上旬だったのですが、晴天に恵まれて日中の気温は27度くらい。湿気が少なくて過ごしやすかったものの、夜は気温が大幅に下がるので秋冬物の服も必要でした。ロスは天気の良さに定評があるので、初夏を感じた日中の天気の良さには納得。

ロスではB級からハイエンドなグルメまで幅広くを堪能することができたので、いくつかハイライトをお届けします。まずはヴェニス・ビーチ付近にある「タコス・ポル・ファボール」つまり日本語で「タコスお願い!」という屋号のお店(サンタ・モニカ、ウエスト・LAにもお店あり)。文字通りメキシカン・スタイルでタコスやブリトーが看板メニューです。平日のランチタイムに訪れましたが、地元の人たちが集まっている模様で、人気の高さが伺えました。カジュアルな食堂スタイルで小さなテラスもあり、値段も一品10ドル未満。ロスはメキシコ国境に近いですから、マイアミにキューバの影響があるように、ロスにもメキシコの影響がありますね。

「タコス・ポル・ファボール」にて、定番のブリトーを選択。ボリューム満点

ハイエンドなスポットは「ジェリーナ」。ファッションストリートとしても知られる「アボット・キニー」に位置しており、なかなか予約の取れない人気店。新鮮な食材の良さを活かして料理しており、素材で勝負していることが人気の秘訣でしょう。スタイルは創作料理です。

「ジェリーナ」の店内。朝食からやっていることもあって、日曜の正午前でこの盛況ぶり
ジェリーナにて。半熟卵、チョリソーやオイスターマッシュルームなどが混ざった人気メニュー

ロスは過ごしやすい気候で人気がありますが、その一方で早く改善した方がいいなと思う点もあります。まずは冒頭でも少し触れましたが「汚染」。車の量が多すぎて、大気汚染が深刻な模様。また海も汚いです。ロスといえばマリブ・ビーチやヴェニス・ビーチなどが浮かびますが、水質が良く無いので、僕の現地の友人もサーフィンをしたければもっと遠方に出た方がいい、とのこと(その移動にも車が必要になるわけですが)。海の汚染の影響なのか、僕が行ったレストランの一つは「本日の魚」をわざわざギリシャから仕入れていました。沖に出れば水質は悪く無いでしょうから、地産地消を推進してもらいたいものです。3泊で軽くスキャンした程度ではありますが、以上が僕のロス・レポートでした。

元ブルーミング・デールズのバイヤー達によるメンズウエア・ショップ「マガザン」、フランス語で「ショップ」の意。ハイエンドで流行にとらわれないセレクトが秀逸
早朝ロケでのケータリングが素晴らしかったので、パシャリ。メキシコ朝食の定番「ウエボス・ランチェロス」。ウエボスは「卵」、ランチェロスは「ソース」の意

佐藤丈春(さとう・たけはる)
1976年東京生まれ。2005年に渡英、2007年に英国王立芸術院卒業。グローバル情報誌『モノクル』に創刊から関わり、ファッションディレクターとして7年間努めた後、2014年独立。現在は英国・欧州ファッションブランドの広告・カタログのスタイリングやアートディレクションを中心に活動する。

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